潮風に吹かれて

Goです!  海辺に住んでいます。そんなことから、このブログのタイトルを「潮風に吹かれて」としました。  映画を観ること、どこかへぶらっと出掛けること、それから山歩きすることが好きです。ブログ「潮風に吹かれて」では映画を観ての感想や山行をふくむ旅先での出来事などをネタにした記事を発信していきます。    つたない文章で読みづらいと感じられることがあると思われますが、なにとぞヨロシクです! m( _ _ )m

潮風に吹かれて

vol.11 絶望と歓喜は紙一重

潮風に吹かれて

映画幸福の黄色いハンカチ

配給:松竹

製作国:日本

劇場公開日:昭和52年(1977)10月1日

上映時間:1時間48分 監督:山田洋次

原作ピート・ハミル(アメリカのフォークソング)

キャスト:島 勇作(高倉 健)

       島 光枝(倍賞千恵子)

       花田欽也(武田鉄矢)

       小川朱実(桃井かおり)

     帯広のヤクザ(たこ八郎)

     渡辺課長(渥美 清)

     その他……

 

解説・あらすじ   昭和52年、まだ点々と雪が残る5月の北海道。ガールハント目的で真っ赤なピカピカの新車4代目ファミリアを手に入れ、その車と共に「東京⇔釧路」のフェリーで、新緑まぶしい遅い春を迎えた北海道にやってきた欽也。彼は、網走の駅前で、職場の男女トラブルに嫌気がさして気分転換に一人旅をしている娘・朱実をナンパする。この行きずりのカップルは、オホーツク海を見渡すモヨロ海岸で、ワケあり中年男・勇作と出会う。欽也、朱実、勇作、3人は欽也の車で北海道の観光スポットをめぐり始める。その途中、諸々のことがあって勇作の屈折した過去が明かされる。勇作は夕張で恋女房の光枝と慎ましい生活を送る炭鉱夫だった、しかし「かっとなってキレたら止まらない」という性質の勇作は、ある日、夜の盛り場でチンピラを殴り殺して刑務所に収監される、そして、模範囚として6年の刑期を終え、数日前に出所した。光枝のもとへ帰りたい。が、果たして妻は迎えてくれるだろうか? 出所当日、「もし俺を待っていてくれるなら、庭の竿に黄色いハンカチをぶら下げておいてくれ」と書いたハガキを光枝に速達で出していた。そんなワケを知った欽也と朱実は、観光ドライブを取りやめて勇作と一緒に夕張へ向かうことした。3人を乗せた赤いファミリアは光枝の返答を求めて走り出す……。 

 アメリカのポップグループ、ドーンが73年に大ヒットさせた「幸せの黄色いリボン」というフォークソングの歌詞の内容は「刑務所帰りの男が故郷の家に戻ると、妻が庭の古い樫の木に黄色いリボンを結んで待っていた」というもので、それを、「男はつらいよ」シリーズや「遥かなる山の呼び声」「キネマの天地」等々の山田洋次監督が、物語の舞台を春の北海道、リボンをハンカチに置き換えて撮った、釧路~夕張の北海道ロケ行程約700㎞のロードムービー。主演は、本作に出演するまでは、任侠映画の輝ける大スターというイメージが強かった高倉 健。男を待つ甲斐甲斐しい妻を演じるのは、60本以上もの山田洋次監督作品に出演している倍賞千恵子

 1977年の10月に公開されると大ヒットを記録した本作は、第1回日本アカデミー賞最優秀作品賞ほか主要5部門 ( 主演男優賞、助演男優賞助演女優賞、監督賞、脚本賞 )を受賞、その年、他の映画賞でも数々の賞を受賞した。

                           

 映画「幸福の黄色いハンカチ」を、私は何回も観ています。初めて観たのは……かれこれ40年くらいも前になりますが、その当時、飯田橋駅の近くにあった「佳作座」という名画座で、でした。その時、「幸福の黄色いハンカチ」と同時上映されていたのは、「幸福の黄色いハンカチ」同様に山田洋次監督作品の「遥かなる山の呼び声」だったと記憶しています。ちなみに、「遥かなる山の呼び声」は「幸福の黄色いハンカチ」同様に物語の舞台が北海道で、どちらも主演・高倉 健、高倉 健が演じる男の相手役・倍賞千恵子なので、「幸福の黄色いハンカチ」と「遥かなる山の呼び声」、この二つの映画は共通点が複数ある為に「どこか似ているなぁ」という印象を私は受けました。

 あ、そうそう、「遥かなる山の呼び声」といえば、その映画を、高倉 健が演じた役を阿部 寛、倍賞千恵子が演じた役を常盤貴子というキャスティングで、時代背景は昭和から令和 ( 作中の回想シーンでは平成ってことになるのかな? ) に置き換えて作られたドラマが先週の土曜日 ( 9/23 ) からNHK総合①で始まりましたね。毎週土曜の夜10時から49分の放送で、全話を4回に分けて完結……だったと思います。

「遥かなる山の呼び声」についてはこのくらいにしておいて、話を「幸福の黄色いハンカチ」に戻しましょう。

幸福の黄色いハンカチ」、この映画で主人公の男・勇作が出所して間もなくに大衆食堂でコップに注いだビールを両手で持って飲み干す場面があるのですが、その一杯は「風呂あがりの一杯」や「食後の一服」なんてものとは比べものにならないくらい旨いのだろうな、そんなふうに思わせるくらいの演技をそこで高倉 健は魅せています。ホントかウソかは知りませんが、そのシーン撮影に高倉 健は2日間も食事を断って臨んだそう。事実であったとしたら「〝 役者魂 〟というのは、そういうものなのだろう」と思うです。

 いやあ、とにもかくにも「幸福の黄色いハンカチ」のクライマックスには感動を覚えます。が、私はこの映画を何回も観ているうちに、ラストで幾枚もの黄色いハンカチが風にはためいていなかったとしたら絶望の淵にどっぷり沈む、そうなるのは悲しいけれど、そうなるのが作り事ではないリアルな現実なんじゃないか? 実際あんなハッピーエンドは、そうそう有り得ない。だから「幸福の黄色いハンカチ」は、人情ドラマふうに愛の奇跡を描いたファンタジー映画、そう思うようになりました。

 

 さて、ここからは新企画のコーナーです。いつ打ち切りになるかはわかりませんが、とりあえず今回から数回にわたり「Goです の “ 昭和あの日に帰りたい ”」というコーナーの中で漫画 ( 1コマだったり4コマ ) やイラスト付きショートエッセイのようなものをアップします。その第1回は1コマ漫画「ドっちゃん」です。

Goです! の “ 昭和あの日に帰りたい ” No.1「ドっちゃん」

 どうぞ次回もお楽しみに

 んじゃ、今回これにて失礼します。\( ^  0 ^ )

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