潮風に吹かれて
映画「愛と青春の旅立ち」
原題: An Officer and a Gentleman 製作国:アメリカ合衆国
劇場公開日:1982年 12月18日(日本) 上映時間:2時間04分
監督:テイラー・ハックフォード
脚本:ダグラス・デイ・スチュワート 製作:マーティン・エルファンド
キャスト:ザック・メイヨ(リチャード・ギア)
ポーラ・ポクリフキ(デブラ・ウィンガー)
シド・ウォーリー(デヴィッド・キース)
バイロン・メイヨ(ロバート・ロッジア)
リネット・ポメロイ(リサ・ブロント)
エミール・フォーリー軍曹(ルイス・コゼットJr.)
エミリオ・デラ・セラ(トニー・プラナ)
ライオネル・ペリーマン(ハロルド・シルヴェスター)
トッパー・ダニエルス(デヴィッド・カルーソ)
その他……
解説・あらすじ ワシントン州シアトル。青年ザック ( リチャード・ギア ) は、自堕落な父と2人で暮らしている。母はザックが13歳の時、父の不実が原因で自殺した。暗い記憶を引きずりながらぱっとしない生活をしているザックは、かねてからの夢だったパイロットになるため、父の反対を押し切って、シアトルの近くにあるレーニエ基地内の海軍航空士官養成学校に入学する。そして、担当教官であるフォーリー軍曹 ( ルイス・コゼットJr. ) の厳しい指導に反発しながらも、仲間と過酷な訓練に耐える毎日を送ることになる。数週間が経ち、市民との懇親パーティーに参加したザックは、町工場で働く女性ポーラ ( デブラ・ウィンガー ) と出会って親しくなる。士官学校で直面する試練と恋仲になったポーラとのロマンスを軸にして、次第に心の成長を遂げていく青年ザックの姿を描く青春映画。
監督は、レイ・チャールズの人生を忠実に描いたヒューマン・ドラマ「Ray/レイ」を撮ったテイラー・ハックフォード。鬼教官を演じたルイス・コゼットJr.は、本作で第55回 ( 1982年度 ) アカデミー賞の助演男優賞を受賞。また、ジョー・コッカーとジェニファー・ウォーンズが歌ったストーリーを盛り上げる主題歌「Up Where We Belong/愛と青春の旅立ち」はアカデミー歌曲賞を受賞、全米1位の大ヒットになった。映画「愛と青春の旅立ち」の原題は「士官は紳士であるべきもの」を意味する「士官と紳士/ An Officer and a Gentleman 」。本作の公開以降、日本では「愛と○○の~」というタイトルが一時期ブームになった。例「愛と追憶の日々」※「愛と哀しみのボレロ」は「愛と青春の旅立ち」よりも1年早い1981年公開。
映画「愛と青春の旅立ち」が日本で公開されたのは昭和57年 ( 1982 ) の12月18日 。
その頃の私は18歳、高校へは通わずに、喫茶店でウエーターをして働いてました。
翌年の4月、定時制高校に入学。ウエーターの仕事は辞めずに続け、私は働きながら学校へ通い始めました。そんな私が「愛と青春の旅立ち」をはじめて観たのは、その映画はロングラン上映されていて、高校へ入学して間もない頃でした。
定時制高校、ここは何としても卒業しなくては! と頭の隅で常に思っていた当時の私が「愛と青春の旅立ち」を観ていちばん印象に残ったのは、感動的なラストシーンではなく、海軍士官 学校の訓練生になった主人公が教官にしごかれながら「除隊 ( 退学 ) しろ! 」と迫られるのに対 して「辞めない! ほかに行く所がないんだ! 」と 、べそをかきつつ言い返す場面でした。
私は、その主人公の姿と自分を重ね合わせて観ていたのです……。
リチャード・ギア演じる主人公の青年ザックは、自分の人生を切り開くため、果報は寝て待てという姿勢ではなく、自ら困難に立ち向かって行ったのでした。その先に、幸せがあると信じて……。